髪が伸びて伸びて無人島みたいになってしまったので、切りに行ってきた。しかしカットだけだとシャンプーをしてもらえないのが辛いところ。したがって別料金でやってもらうことにした。シャンプー液を付けた瞬間、なんともいえないオレンジのいい香りが…。

「わあ、いい香りですね」
「そうでしょ〜。夏季限定のシャンプーなんですよ」
「なんかお父さんのトニックシャンプー思いだしますね」
「夏はこれ気持ちいいですよね。僕もこれ家で使ってるんです」
「でもいいお値段するでしょー、美容院のシャンプーって」
「そうっすねー。でも物はいいですからね」

頭にスースーと清涼感、香りも最高に良し。何が好きと言って、オレンジの香りが一番好きなのだ（２位は青リンゴ）。また、男の子の力強い手指で洗ってもらうとこれまた天国に上るがごとくの気持ちよさ。思わずお口が半開き。ガーゼのおかげで命拾い（バレてたらしいけど）。


後でお会計の時に見てみたら、サイズがＳからＬ、1,260円から1,680円というラインナップだ。高っ。いつものシャンプー詰替用が５個くらい買えちまう。…でも、要らねぇよというには余りにも気持ちよい思いをしすぎた。誘惑は大きい。しかも秋冬になってしまったら、この清涼感は逆に寒々しいだろう。今だけなんだ、この心地よさが堪能できるのは。

結局持ち金も乏しかったので、今使っているシャンプーが切れたらお願いすることにして美容院を後にした。しかし、今日も担当さんとの会話が弾んだものだ。「本屋に行くとトイレに行きたくなるのはなぜか」から始まって、「大をうながすためにトイレに行く前に取る姿勢はこれがオススメ（実演付き）」だとか「秋になると薫るキンモクセイはトイレの芳香剤」だとか、後ろで純情そうな男の子が切ってもらっているのを後目によくもまあ大きな声でゲラゲラと。「女って、女って…」と心の声がした。こんなものだよ、強く生きるんだ少年。

（蛇足ながら本屋に行くとトイレに行きたくなるのは、本の再生紙の匂いとトイレットペーパーの匂いがシンクロするからだという説が有効らしい、と担当のお姉さん談）


※明日、明後日くらいまでは留守にしますので日記の更新はありません。

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