Web標準に進路を取れ 第2回「行け、そのWebを閉じるな」
2005-10-18 Tue[Web制作 > コーディング]
2回目にしてそれっぽい記事を書くようになってよーやっと、「私はWeb屋かな?」「Web屋かもな?」「そうかもな?」と思えるようになってきたサルサであーる。遅いて。
今日も気合い入れてマジメに書きました。
おおそうか、よしオイラも気合い入れて読もう、読んでやる、負けるものかコノヤロウ、突っ走るぜィェーィ!と思える方だけ読んでください。
まずは、こちらをごらんいただきたい。ィェィ。読め。
- あるユーザーは、「見ることができない」「聞くことができない」「動くことができない」または「ある種類の情報を簡単に、あるいはまったく処理できない」かもしれません。
- あるユーザーは、「読むことが困難」または「文章を理解できない」かもしれません。
- あるユーザーは、「キーボードやマウスがない」または「キーボードやマウスを使うことができない」かもしれません。
- あるユーザーは、「テキストしか表示できない環境」「小さな画面を使用」「インターネットに低速でしか接続できない環境」で操作しているかもしれません。
- あるユーザーは、その文書が書かれている言語を「容易に話したり理解することができない」かもしれません。
- あるユーザーは、「見たり聞いたりできない状況」または「手が使えない状況」にあるかもしれません(車を運転している場合や、騒がしい環境などの場合)。
- あるユーザーは、「古いバージョンのブラウザ」「まったく異なる種類のブラウザ」「音声出力のブラウザ」「異なるOS」などを使用しているかもしれません。
これは、Webの規格を決めているえらーい機関「W3C」が1999年に出した、ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン1.0という勧告の一部を抜粋したものであーる。Web関連の仕事をしていればW3Cの名前くらいは目にするだろうし、そうでない方でも、上の文章の意味はわかるだろう。わかってください。お願いします。
他のメディアで考えれば、印刷物なんかは点字本があったり。
テレビ放送には、手話や文字放送、副音声があったり。
それと同じように、Webにおいても、さまざまな立場の人が閲覧できるためにちょっと配慮して、ユーザ側の自由度を高めた作り方をしましょうよ…とまぁ、こういうことだ。どのメディアよりも可変的なのだから、それは当たり前っちゃ当たり前っスね。
「Web標準」は
誰のための規格? 何のための規格?
誤解のないように言っておきたいのだが、「Web標準」は高齢者や障害者の方向けオンリーの規格ではない。制作者側のメンテナンシビリティ(更新や維持のしやすさ)も考えたものであるし、健常者(申し訳ないが便宜上こう書く)なら健常者で、ウルトラマイナーな方法で閲覧する人にも、より分かりやすくより利用しやすくという便宜を図ったものでもある。ウルトラマイナーな方法ってどんなんだ。
つまり決して、一部の人による、一部の人のための規格ではないということ。
大企業のホームページやポータルサイトはもとより、個人的なホームページからブログから、Webにたずさわるものを「創り出している人」全てに関わることなのである。誰しもが視聴者であり、誰しもが制作者になりうるメディアなのだから。
「スタイルシートっていうけど、自分にはまったく分からないし」
「規格とかなんとか、そんなのはWeb屋さんが考えればいいこと」
「どうせそんなに見に来ないから」
「めんどくさいから」
なにもしょっぱなから、スタイルシートで組め!バリ組め!というのが無理な話ってのはわかる。というより、Webページ作る人全員が全員、スタイルシート遣いになれたら、正直私たちはお払い箱になってしまうからして。
あ…
「えっと、“スタイルシート”自体がイマイチ、そのぅ…」
という方は、下記なんかをどうぞ。
自分でも昔、毎日考以外で解説くさいものを書いたことがあるんだけど、いかんせん情報が古くさいので。といって、なかなか概念だけを易しく、とっつきやすく書いてあるところが無くて…。
→Webページ作りのお勉強|スタイルシートとは??
「Web標準」とスタイルシート
でまあ、ここまでスタイルシートスタイルシートとしつこく話を出してきたけれど、確かにガイドラインでは推奨しているものの、Web標準=スタイルシートを使うことではないわけ。それに、全てのブラウザで端末で、同じような見ばを達成するためのものでもない。
さまざまな人が、WindowsIEはもとより、Netscapeの低いバージョンでも、MacのIEでも、Safariでも、テキストブラウザでも読み上げブラウザでも携帯でもPDAでも。
スタイルシートに対応しているブラウザはそれなりに相応に…
そうでないブラウザや端末でも、色やレイアウトはともかく、テキストや画像などの、そのページに書かれた情報(テキストブラウザや読み上げブラウザの場合は、画像は代替のテキスト情報と言うことになるが)を享受できるように…
これがいわゆる、Web標準の考え方である。たぶん。
繰り返すけれど、スタイルシートはあくまで手段のひとつであって、目的じゃない。なにがなんでもスタイルシートを使わないとこれからは乗り遅れる!バッカじゃないの〜ウヒャヒャヒャヒャ〜
…とか言わないから。
閲覧者に、
ウィンドウを閉じさせるな
大切なのは、前述したようなさまざまな立場の人を想定してWebづくりを考えたり、ユーザにとって少しでも見やすい、読みやすいものをと考えたりすること。スタイルシートを使わないまでも、見直すことのできるポイントはいっぱいある。標準というのは別に、規格バリバリの一括化を進めましょうということではないのだから。
そんなことより例えば、機種依存の文字を平気で使ったり、普通の人でも見づらいようなページを作って自ら閲覧者を閉め出し、Webを閉じてしまっている人たちのいかに多いことか。検索から、リンクから飛んでいったときに、自分の目指す情報がうまく得られずにウィンドウを閉じてしまったり、そもそも情報を探す前に見にくいと判断してウィンドウを閉じてしまった経験は、貴兄にはござらんか。
ま、話がそれてきたような気がしてたまらないのでこれくらいにして、Web標準を語る上での大前提ってなことで確認するつもりで次回から「非アクセシビリティ」について進めてまいりやす。ここまで読んでいただいた方、おつかれさまでした。
そいではまた〜
次回:Web標準に進路を取れ 第3回「タグは論理的に付けるナリー」
アクセシビリティ=ウェブアクセシビリティー【web accessibility】(新語)
〔アクセシビリティーは接近できること・入手可能なことなどの意〕
障害の有無や年齢などの条件に関係なく,だれもが同じようにインターネット上で提供される情報を利用できること。また,ウェブ-ページに対するアクセスと利用のしやすさの度合いをいう。
ユーザビリティ【usability】(新語)
有用性。使いやすさ。特にコンピューターで,ハードウエアやソフトウエアの使い勝手のこと。ユーザビリティが高いといった場合,利用者側から判断する作業効率の良さや,満足度などの高さを表す。
(goo辞書 三省堂提供「デイリー 新語辞典」)
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