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Web標準に進路を取れ Interlude1−音声ブラウザ

2005-11-02 Wed[Web制作 > コーディング]

はいはい。
そんなわけでですね、尻切れトンボになってしまった続きを書きますよ…と思ったんだけど、今回は適当なことを書き散らかせて下さい。

タイトル的には“第4回「音声ブラウザ」”そのままでもよかったんだけど。なんていうんでしょうかねー、ちょっと気を抜いてますよー、本編じゃないんですよーというアピールを。Interludeてね、“幕間”とか“間奏曲”の意味ですね。よく、アーティストのアルバムの中間あたりに入っていたりね。

前回の記事、第3回「タグは論理的に付けるナリー」で「読み上げブラウザには見出しジャンプ機能がある」と書きましたが、これは正確に言うと「見出し・段落ジャンプ」であり、見出し、段落、段落、見出し、段落…と読み飛ばしていける機能のことです。音声だけでページの概略を知ろうと思ったら、確かにこういう機能は必要ですよね。

そして私自身も、読み上げを使わずとも、これと同じことをやっていることに今さらながら気づいたんです。検索エンジンから情報を探すときは急いでいるから、「キャッシュ」のリンクで飛び、検索キーワードを反転させた状態で飛ばし読みしたりします。

けれど、とあるページからページへと飛ぶときは、見出しもさることながら段落の頭ごとに目で追いつつスクロールして、有益な情報があるかを見定めたりしてるんですよね。人間も、ブラウザのひとつだったんですね。

で、ひとつお断りしておきます。

読み上げブラウザテキストブラウザという言葉は、この記事が続く限り、かなりの頻度で使うと思いますし、挙動は目安にすると思います。

どれだけのシェアがあるんだよ、世の中の9割以上はInternet Explorerや、Safariや、Firefoxなんだろ、きれいでかっこよく見えればそれでいいだろ…と思う方もいる、んでしょうね。もちろん、それらのブラウザも表示確認はしますけれども。

でも私は、腐ってもヘタレても、コーダーですから。
ちょいとしたコーディングの気遣いによって、「見にくい」「見えない」「使いにくい」「使えない」「わからない」が少なくなるのであれば、それはやるべきだと思っています。別に、それが使命だとか役割だとかなんて大それたことは思っちゃいませんけどね。こっちのブラウザでは見えるけど、こっちのでは表示ガタガタ…っていうの、コーダーにとって一番こわいことなんですよ。それと一緒です。

デザインとWeb標準は、けっして相容れないものではない。むしろもっと歩み寄らなければならないものです。いくらデザイン的にかっこよかろうが、私でさえ見づらかったり使いづらかったり、配慮のないサイトは「かっこわるい」以外の何者でもないと考えます。

普通に考えたって、私がブラウズしていて見にくいと思うものは、障害者や高齢者の方にはさらに見にくいだろうし、私でもわかりづらいと思うページは、さらにわからないんだと思うよ。

音声ブラウザについて

ブラウザを音声で読み上げるソフトとしては、「スクリーンリーダー」「読み上げブラウザ」の二種類があります。有名なのは、前者ではIBMのJAWS95Reader、後者では同じIBMのホームページ・リーダーやAMEDIAのボイスサーフィンなど、他にも各種のソフトが存在します。

スクリーンリーダーは、単にWindowsの画面に表示された文字を読むだけ。対して読み上げブラウザは、ブラウザという名の通り、音声でブラウズするのに便利な機能が組み込まれているのが違いです。なかなか挙動は興味深いんですよ、リンクは女性の声(もしくはその逆)で分かりやすく読むとか、強調タグは抑揚つけて読むとか。

でもすごいのは、それを使う側の方。
リンクのところでキーを押すとジャンプできたりするんですけど、それが尋常ではない速さで操作できたり、かつ耳が鍛えられているので、かなり速い速度でブラウズできるらしいのです。全員が全員そうなのかは存じ上げませんが、自分らの思うよりもっと自由にWebを使いこなしていることは事実です。

って、今、自分のサイトをボイスサーフィンで聞いてみたんですが…いやあ…なんというか、いろいろな意味でとてもカルチャーショック。修正の余地はたぶんにあるんですが、それよりなにより、私のへんてこな語尾の文章をオッサンが読んでいるのを聞いてひとりニヤニヤしてしまいました。そういえば自分、過去にもこんな記事を書いていましたね。
asahi.comリニューアルとアクセシビリティ(05/03/15)

(上記の記事で紹介しているWebUD、前バージョンはプログラムの不具合があったようです)

けど音声ブラウザのほうも、もっともっと進化してくれたらよいんですけどね。多少組み方が粗くても適当に解釈して読んでくれるとか、もうちょっと人間らしく読んでくれるとか。む、無理かな…。いずれ、自分がメインで使わないとも限らないんですから。

もっといいのは、どれとは言いませんけどシェアの多いブラウザに標準で「音声読み上げ機能」が付けばいい。なんちゃらツールバーなんかがごちゃりごちゃりと付けられる時分ですから、それくらいあってもいいんじゃないの。特に高齢の方で、自分で読み上げソフトをインストールできて設定ができる方の割合って、そう高くは無いと思うんですよね。

さて、いくぶん不完全燃焼気味ではありますが、集中力が続かなくなってきたのでまた次回。んで、たいそうなことを書いていますが、自分のブログやサイト、まだこれらには完全に対応していません。断言しちゃう。いちおうこの記事、自分の勉強と覚え書き、心構えという意味で書いているわけでですね。えーっと。

そいではまた〜

次回:Web標準に進路を取れ 第4回「ハイパーリンク−target属性を考える」

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いただいたコメント

ner | 2005-11-03 11:56 PM
こんにちは。コメント入れるのは初めてです。
>>いくらデザイン的にかっこよかろうが、見づらかったり使いづらかったり、配慮のないサイトは「かっこわるい」
これにはものすごく共感するところがあります。勝手に抜粋しちゃってアレですが。
あと前回の記事でしたか、音声ブラウザに強制改行タグでの「息継ぎ」を設定できるという話、たいへん興味深いです。
salsa | 2005-11-05 02:28 AM
あー、nerさんじゃないですか。
いつも拝見しています、というかごぶさたしてます。

音声ブラウザの挙動は、使用者が使いやすいようにいろいろと設定ができるので、確かに興味深いですよ。もっといろいろご紹介したいんですが…

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