Web屋はそれを妥協できない
2007-04-18 Wed[Web制作]
こんばんは、サルサです。
寒の戻りと言いますか、またマフラーを巻きたいような、肌寒い日が続きますね。雨続きが始まる前に水をやった鉢がいまだ乾きません。はーやだやだ。今日なんかは、微妙に頭痛までしてくるし。(低気圧の接近で具合悪くなる方、いらっしゃるみたいですね)
今日ね、やっと一仕事終わったんですよ。
部内のイントラネットサイトのリニューアルを終えて、やっと本公開したんです。いろいろな絡みもあり、進んだり進まなかったりでかれこれ4ヶ月。ページ数こそ200そこらの規模ですが、デザインbyサルサ、コーディングbyサルサ、ディレクションbyサルサ、サルサのサルサによるサルサのためのサイトです。ための、ってこたー無いですけど。
…というリニューアル作業でしたが、いろいろ思うところもあり、イントラネットサイト作りの悲喜こもごもを記しておきたいと思うのでございます。
強制改行したがる不思議
強制改行、つまり<br>ですね。
ブラウザで文章を表示させるとき、見る人の環境、つまりデフォルトで設定している文字の大きさやフォントの違い、ブラウザの表示文字サイズ、ブラウザそのものの違いなどによって、意図した位置で改行されないこともある。
…ということが、分かっていただけないんです。数文字で改行ならまだしも、こう、文字送りギリギリのところでの改行を指定してくるケースが多いんですよね。「Webは印刷物でもExcelシートでもない、ユーザによって可変するもの」。まず説明するのはこれです。
文字サイズを小さくしたがる不思議
なんなんでしょうね、これ。
そりゃ、小さい文字で詰め込んだ方が折り返しも少ないし、スタイリッシュに見えないこともないんですが。リニューアル前のサイトが、12pxくらいの固定フォントを指定していたので、それに目が慣れちゃってるせいもあるのでしょうか。そういえば、他の部署のサイトも文字、小さいなあ。
これ、妥協できなかったんです。意味もなく、見てくれだけでフォントを小さくするのも固定するのも、私の意識に反するのであります。第一、窓際には老眼鏡をかけたおじさまたちが鎮座ましましているではないかっ! これぞユーザビリティだ。負けるなサルサ。
幅がどんどん広がっていく不思議
割とね、内容柄、表組みが多いんですよ。
それ自体は構わないんですが、一番目に挙げた「ここは改行しないで欲しい」を交えると、どーしても。どーしても。当初予定していた、右余白部分の背景も削って、普通の解像度ならブラウザを最大化してギリギリのところまで。でもそうでもないコンテンツもあるので、結果としてサイトの中で幅がびよんびよん変わるの。あー、もう。統一感のないサイトだと思われるだろうなあ。というように、自分のデザインやレイアウトがなし崩しになったって、サルサ泣かない。
大どんでん返しの不思議
わかっています、周りの人はプロではないって。Web制作においては常識とされているようなことも、通用しないことがあるって。けど、最後になって、作った後に「サイドのメニューは要らない、元に戻して欲しい」はないだろー! ばかやろー!
妥協できないこと、妥協しなくちゃいけないこと
私としては、今までの経験から、ちゃんとした根拠を持って制作したつもりです。メニューの置き方、ページ構成、どれひとつとして「とりあえず見ばがいいから置いた」という適当なものはないんです。
…という自負があるから、どうしても妥協できない点とか、ユーザビリティ・アクセシビリティに反した点、コンテンツ提供側のエゴというものについてはひとつひとつ説明して、自分の作ったものを納得してもらう。逆になんの根拠もなく作っていたら、これがうまく説得できません。
だが、しかしね。
「Web的にオカシイからコレはダメ!」などとばかりも言ってられないのが、イントラネットの中なんです。それにね、私一人がずーっと更新するならまだしも、TABLE組みでやっとというレベルの人たちを前にして、明日からスタイルシートで組め! 組めったら組めっつーの! というわけにはいきません。WindowsのIEが97%以上という環境の中、本来ならブラウザの違いを吸収する必要もない。何がアクセシビリティだ、何がWeb標準だの世界です。いやもちろん、作りについては意識していますけどね。
イントラネットのWebマスターに必要なのはまず、情報の発信が最優先だと理解すること。周りの人の本業はWeb制作ではないのだと理解すること。だから、リニューアル後も、更新しやすいように意識してHTML4.01的な組み方を残しているところもある。テーブル内の細い列で、文字の縦組みについて一文字ずつ改行してあっても、許容していたりするんです。
遠慮されがちなWeb屋?
私が、本業のWeb屋であるということに関連してらしいんですけど。いや、これ笑い話ね。なんか遠慮されるんですよ。これを言ったら気を悪くされるんじゃないのかなとか、おかしいこと言ってると思われるんじゃないのかな、とかね(笑)。
確かに、Web制作的な見地から見ておかしいことはおかしいと言うし、妥協できないところはそう説明しますが、逆に素人さん(失敬!)だから気がつくところもあります。上で書いてきたように、こだわって作ったつもりが逆に使いづらいと感じることも多々あるでしょう。それによって、それこそ私の意図したものがなし崩しになることだって。それでも私としては、いろいろ言ってもらった方が嬉しい。話をする中で、もっといいものが生まれるかもしれませんから。
いや、それにしても今回のリニューアルで、私は派遣のくせに(というのは意識してないけど)ずいぶん意固地なWeb屋だと思われただろうなあ。もっと柔軟性があって、もっとうまいこと要望に添えるWeb屋さんもいらっしゃるだろうと思いますんで。わははは。
しかしなんといいますか、制作的に同じ意識を持った同業者(Web制作会社、Web制作部署などまわりもプロという環境)の中で働くのがどれほどラクだったかをつくづく実感しますね。
けれど、プロ相手ではなく、今回のような環境でも、上で書いた「妥協できない部分」をうまく説得できるようになったら、Web屋として一人前になったといえるのかもなあ。いや、そうじゃないんだろうけど、そんなふうに思うんです。
そんなこんなでしたが、部内の評判はおおむね良好。
いいじゃない、かっこよくなったじゃない、とお褒めの言葉をいただき、胸をなで下ろした私です。不肖コーダーサルサ、Illustratorをちゃんと使ったのって、今回が初めてくらいかもしれないというのに。(そんなことはおくびにも出しませんけど)
さーて次は、もうひとつリニューアル。
今度はその上位階層、イントラサイトのトップの制作です。そうそう、フリーのほうでもリニューアルのお話が舞い込んできましたよ。うーん、ここ数年リニューアルづいてるなあ。
そんな中、なんと、同じ部にデキる派遣がやってきた?!
続きは次回。(かな?)
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