表記の揺れについて考える(前編)
2007-06-26 Tue[Web制作 > コーディング]
小サルサ「サル博士ー」
サル博士「なんだい小サルサちゃん」
小サルサ「“表記の揺れ”ってなーに?」
サル博士「んー、たとえば一つの文章中に“下さい”と“ください”、“お問い合せ”と“問合せ”のように、同じ意味を表す言葉でも違う表し方が混じってしまうことだよ」
小サルサ「“ファーストキッチン”と“ファッキン”みたいにー?」
サル博士「…ま、そういうことだ。人前で言うなよ?」
小サルサ「でもさ博士、ファーストキッチンが合ってるんだとしても、ファッキンで検索する人もいるよねー? ファーストキッチンのページが見つからなくなっちゃうよ」
サル博士「そうだね。かなりファンクな感じの検索結果になるね(※実際はWikipediaの曖昧さ回避のページ)。けれど検索にかかわるシステムは、使う人が困らないように、揺れや誤字はある程度うまく吸収できるよう考えられていたりするんだよ」
…とまあ、今回の記事はこういう内容です。
困った、うまくまとまってしまった。しようがないので以下、この数行を薄く薄く引き延ばし、おそらく二回に分けてだらだらと書きます。前半は表記が揺れちゃいけない「統一感」についてのお話。後半は、表記が揺れないと困る「検索」関連のお話です。
表記の揺れが我慢できないWeb屋
まず、サル博士が挙げた、ひとつのページ中(サイト中)で表現が統一されていないという意味での表記の揺れ。ことWeb屋さんで、企業サイトなどの運用に携わっている皆さん、これについてどう思われますか? Web屋さんではない方、サイトを見ていて表記の揺れに気づいたとき、どう思われますか。あまり気にならないでしょうか。
例えば「いただけます」と「頂けます」。
例えば「お願いします」と「お願い申し上げます」。
「問い合わせ」と「問合せ」。送りがなや外来語のカナ表記。文体(で・ある調、です・ます調)。半角と全角、固有名詞の表記。店名が略されていないか。数字と漢数字。
マークアップやプログラムと違い、表記が散っていたところであながち間違いというわけではありませんし、同義語やら略語やら、やたらと表記方法の多い日本語ならではの問題です。
とはいえそれぞれのサイトでは、これら表記について一定の決まり事、いわゆるガイドラインのようなものを設けています。その企業やサイト独自の言い回しから、カッコは半角、ハイフンやスラッシュは全角、英数字は半角だけど固有名詞については全角…などの細かい表記まで。確かに覚えるのは大変かもしれないけれど、慣れの問題なんですよね。
ところがね。
Webのお仕事でこれまでいろいろな現場に触れてきましたが、こういう決まり事に無頓着というか、表記の揺れに許容的というか、鈍感というのか、意識がいかない方がたまにいるんです。
こういうの、我慢できないんですよね、私。特別に神経質というわけじゃないと思うんですよ。サイト全体の決まり事って、守るのが当たり前でしょう。そもそも文章として気持ち悪くないのか。なんで気づかない? 内容まで追わずとも、意識していれば自然、目に入ってくるべき物だと思うんですが。
まあね、一回目のスルーはしかたない。二回目もまあ許そう。けれど三回目四回目…っていつまで経ったら目が慣れるんだあこのバカちんアホちん!
誤字脱字が我慢できないサル母
実はこの前も、サル母とそんな話になりましてね。
母は本の校正を生業として数十年。年季が違うぜ。あちらは印刷物というのもあるけど、性格も手伝って私なんかよりさらにシビアなんです。刷り直しなんて話になったら、Webと違って莫大なコストが絡んでくる話ですものね。…そのあと話が脱線して、人から送られてくるメールや、趣味の鳥仲間から送られてくるExcel書類の誤字脱字の多さを嘆いておりました。
「だってさ、ひどいのよ。鳥でならしている人がさ、“ウグイスラ”はないでしょ。ラって何! どっから来たのっ?」
そもそもなんで見直しをしないんだろうね、という話になりまして。うーん、結局、見直しはしているかもしれないけど気づかないんじゃないの? 目がスルーするんじゃん? いやむしろこっちが間違ってて、「ウグイスラー」っていう新種の鳥がいるんじゃん? …と、慰めておきました。
それはさておきですね。
サイト全体を維持管理する立場からいわせると、表記の揺れというのはそのサイトの、ひいてはその企業の品格すら疑わせてしまうものだと思うのです。ひどい場合は、「いい加減な企業だなあ」と、売り上げマイナスに響いているかもしれませんからね。
個人ブログのようにある時はです・ます調、ある日はで・ある調というのはいたしかたないかなと思うし、そこまで厳密にはと思うけど…。(毎日考が揺れているのであまり強く言えない)
サル博士「…つまり、言葉遣いや言い回しなどは、ひとつのサイトの中では統一感を持たせた方がいいということだね」
小サルサ「電話番号とか日付の表記なんかもそうね」
サル博士「誤字脱字もそうだし、日本語的に正しい表現をするのはもちろん大切なことで、さらにこういった決まり事をきちんとしておけば読みやすく、きちんとした印象を持たせることができるんだね」
小サルサ「そういえば、salsaさんがsal、サル、サルサ、Web屋、ウェブ屋…と自分の名前をいろんな風に書いて、コメントくれる人がなんて呼んだらいいか迷っていそうなのも表記の揺れっていうのかな?」
サル博士「それは気にしなくてよろしい」
小サルサ「実際なんて呼んだらいいの?」
サル博士「相変わらず美しいサルさんって呼ぶと喜ぶぞ」
ということで次回は、「表記が揺れる」場合を考えてみるよ! ちぇげらう!(サル博士&小サルサ)
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