暖かな陽光のもと、黒法師は語る |
2006-05-05 Fri
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俺は黒法師。名前はまだ無い。
確か、あえおにうむ あr…なんちゃらという学名の多肉植物ってことになっているが、学名なんて人間が勝手に付けたもんであって、俺達にはまったく関係が無い。人間ってのは、万事、何かを何かに当てはめないと気のすまない生き物らしい。
俺は去年、近所の園芸屋で変なサルに拾われた。
そしてやたらうるさく乗り心地の悪い車に乗せられて、このベランダにやってきた。
このサル、妙に俺を観葉植物寄りに扱ったり、そうかと思うといきなり水をくれなくなったりするもんだから俺はいじけて、ありとあらゆる腕から根っこをいっぱい出してやったんだ。そしたらやつはびっくりして、なんだか変なものの入ったまずい水をたっぷりくれやがった。「肥料」とかいうものらしいが、とてつもなくまずいくせに、飲んだあとは妙に調子がいい。良薬口に苦しってやつかな。植物のくせに、俺ってアカデミック。
それにしても今年の冬は寒かった。
低温に弱い南方のやつらが、少しずつ暖かい部屋の中に隔離されていく。仲のいい月兎耳くんも、「む、無念ですぅ〜」と家の中へ入っていった。俺だってそりゃあ寒いんだ。でも、ガジュマルさんやキダチの姐さんたち、ラセンイの兄さん、屈強なアガベさんたちと一緒にさむーい冬を越し、今ではベランダの一等地を占めている。そう、俺は太陽が好きなのだ。じめっとしたのは嫌いだ。なので、風の吹き抜けがいいここの居心地は、なかなか悪くない。
もうちょっと長い間、陽光にあたりたい気もするけれど文句は言えない。世の中にはもっとひどい環境に置かれたままの仲間がたくさんいると、後からベランダに加わった硬ハオのおばさんが話してくれた。(この硬ハオさんも根っこは剥き出しでカラカラ、瀕死の状態でサルに拾われたのだ)
image[黒法師:俺の姿(クリックで拡大)]俺様の今の姿だ。
なんだか体中がむずがゆく、上に上に伸びていこうとするのだ。のどが渇いた。もっと水をくれ。
image[黒法師:俺の顔(クリックで拡大)]俺の顔。
春は、なかなかコケティッシュな顔つきになる。
image[黒法師:俺の顔と顔(クリックで拡大)]オマケだ。
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