知っている方にとっては「うんそうだよそれが何か? えーもしかして知らなかったのーぷぷぅウケるー」とか言われてしまうような話でしょうが、知らなかったんだもんだもん!(←可愛いふり失敗の例
週末、初夏のように暖かかった日曜日、ウェブ屋は観葉の植え替えや植え付けをしておりました。ヒューケラとか、山野草とか、激戦の痕が見られるローズゼラニウムをちょん切って挿し木したりして。
で、ちょい脇に放ってあったコクリュウ。前回の登場は二年前、意外に可憐なコクリュウの…でございました。というわけで(何が)ベタといえばベタだけど、赤葉のヒューケラと寄せてやるかな。
コクリュウ (ユリ科ジャノヒゲ属)
Ophiopogon planiscapus 'Nigrescens'
で、これを鉢から抜くときの話。つまり前回から二年ほど放置していたことになるわけでお恥ずかしいんですけど。
私が放置といったら文字通り(水くれ以外は)放置なんですが、ああ、一度だけ株元にワタムシが付いたことがございましたわね…
さて、鉢穴からドバっと指を入れてズバっと出しましたら、鉢底だったあたりを中心にびっしりとこれ…うわあこれ根っこがえーとナニコレ虫? いや虫なわけじゃなくてうひい気持ち悪いいいい(錯乱中
…と思った私を誰が責められましょう。うひい。
虫はさすがに違うだろうと分かりましたが、あまりに根回りが良すぎて押されて扁平になっちゃったのかと一時は思いました。でもこれ…もしかして貯蔵根のような? 何か水分的なものを貯蔵しているのでは無かろうか。
調べてみたら、こういうことでした。
ジャノヒゲの肥大根は麦門冬(バクモンドウ)
ジャノヒゲOphiopogon japonicus Ker‐Gawlerまたはその他の同属植物(ユリ科Liliaceae)の肥大根の木部(芯)を抜きとり乾燥したもの。効能:鎮咳、去痰、止渇、解熱、消炎、抗菌、滋養強壮、強心、利尿(バクモンドウ・・麦門冬中医生薬解説)
根は所々太く紡錘形になり、これを麦門冬(ばくもんどう)と称して鎮咳・強壮などに用いる。日本薬局方に収録の生薬である。麦門冬は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われる。(ジャノヒゲ - Wikipedia)
地下根を利用するものとしては、似たような名前で天門冬=テンモンドウというのもあるんですね。こちらも、やはり同じユリ科(APG植物分類体系だとクサスギカズラ科)のアスパラガス属 Asparagus クサスギカズラの根っこなんだそうです。
…と、わかっていても。
ぐはー。えぐい、えぐすぎるこの図。
根っこの間にうごめく様(って自分が動かしているんだけど)は、まるでやはりムシさんのようで、わかっていても「ひぃ!」とか手ぇ引いちゃったりする自分は完全なへたれですありがとうございました。
根っこの整理でこれらもズバズバ切ってごみ箱へ、だったのですが、乾かしてモゾモゾしたらご家庭でも作れたり?(笑)
ジャノヒゲ属シスターズ
ついでに、なんとかリュウとかなんとかヒゲがごっちゃになってしまっていたのでおおまかに整理。
ジャノヒゲ属 Ophiopogon はユリ科(APG植物分類体系ではスズラン科)、Wikipediaさんによると日本を含む東アジアの森林に広く分布
している植物。
- リュウノヒゲ 竜の髯
Ophiopogon japonicus 画像検索
- タマリュウ 玉竜(=チャボリュウノヒゲ)
Ophiopogon japonicus 'Tamaryu' 画像検索
- ハクリュウ 白竜(=斑入り玉竜)
Ophiopogon japonicus ‘hakuryu’ 画像検索
- オオバジャノヒゲ 大葉蛇の髭
Ophiopogon planiscapus 画像検索
- コクリュウ 黒竜(=オオバジャノヒゲの園芸種)
Ophiopogon planiscapus 'Nigrescens' 画像検索
ヒゲヒゲとごっちゃになりますけど、オオバジャノヒゲから下(planiscapus種)のほうは葉っぱがもう少し伸びやかで艶やかな感じがしますね。園芸品種の黒色も、オオバジャノヒゲ系統だから美しく映えたんじゃないでしょーか。
このほかスノードラゴン(=オフィオポゴン、ミスキャンタス Ophiopogon malayanus 'Variegata')と呼ばれる、ハクリュウとどう違うの? みたいなヤツとか、虎斑、さらには白縞だの蛇皮だのさまざまな園芸種が出ているのですが、もう割愛で。
あ、検索しているとこれらにヤブラン(藪蘭、学名:Liriope muscari)だの斑入りヤブランだのも絡んできます。同じような葉っぱをしているんだけど、花が全然違いますね。
要はリュウノヒゲ系列とオオバジャノヒゲ系列とその他大勢とあって、あとはそれらをちっちゃくしたり黒くしたり斑入れたり、という感じだということがわかれば自分はいいです。はい。
株が分かれていくよ!
竜鱗みたいにランナーの先に芽が付いてたりもして、観察しているとなかなか面白かったです。